著者 井上貫道 2020 10月発行 B5版 131頁 定価 2200円 送料370円 出版社割引あり
正法眼蔵 梅花の巻は、著名な巻です。道元禅師が開祖である曹洞宗には梅花流のご詠歌もあります。この巻は、梅花を題材にした詩偈十編が引かれ、道元禅師はそれを題材に、仏道、禅の真実を説かれています。
貫道老師は正確に語句を解釈され、如浄禅師、道元禅師と同じ様に、「自分らしいものの無い」今の在り様を実証されておられ、私達に説いておられます。ご自身の体験を逸話として話して下さっています。
滅多にない、美しい壮大な景色の拡がる禅書です。

お勧めのポイント「梅花提唱録」


編集の際に、目次を提唱年月日でなく、詩偈で表わせばと思いつき、老師に行を選んで頂きました。今見ると、そのそれぞれが、祖師方の悟りの境地を表われである様です。「雪裏の梅花只一枝」如浄禅師が雪の中で梅花を見られて、見ることも自分も消えている風景、「只嶺に梅ありて意気多し」法演禅師の雪の中に自分は隠れずはっきりしている様子です。貫道老師はこの境地「今、ここ、私」をずっと説かれています。今の私の在り様です。


この提唱録の中で、老師は例えとして何人かの方々、亡くなられた方も、亡くなった方の傍にいた方、異国の地でリーダーとして活躍している方、のお話しをされています。それぞれの方が、本来の在り様のままに居る事で、人生を生き抜かれている様子です。


この梅花の巻は、貫道老師が円熟の境地にあるときのご提唱です。老師はかって、「法を分かり易く説くには、十年、二十年かかるんだよ。」話されたことがあります。若い時に解脱をされて、ずっとその境地ですごされ、法を説き続けてきた老師の境地そのものです。

最後の太原の孚上坐の部分は、老師の面目躍如のようです。詩偈「一声の画角一声悲なり」の処、人間の情にひかれる様子を「胡笳の一曲六律にかなわず」と描かれ、「芭蕉上に愁雨なし」、思いを離れると人は救われていることを話されています。続いて孚上坐祖師が悟りを開く下りは、情景が浮かぶようなお話です。音声もあります。

梅花提唱録


これ以上の道元禅師の「正法眼蔵・梅花」のご提唱は、他に無いかもしれないと思える本です。






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